森英恵の時代2021年01月03日 17:42

「アイデアは、いつも引き出しのなかにいっぱい入れておく。それをいつ出すかということ。」それは、とてもむずかしい。
 この間壊れたキーホルダーは、就職して初めてか2回目くらいのお給料で買ったハナエモリのもの。
 一緒に買ったお揃いのお財布はとっくに壊れてしまったが、こっちは数十年使った。
 同じ頃、森英恵の『あしたのデザイン』という本を読んだ。
 女一人でビジネスを始めて、そこまでやるのかという頑張りが印象に残っている。
 わたしが就職した頃、年配の女性の課長さんから、「あなたは職業婦人になりたいの」と聞かれた。
 図書館の仕事がしたいと言ったら、同じくらい年配の係長さんからは、「カタロガーになりたいのですか」と言われた。
 職業婦人もカタロガーも死語だと思っていたが、森英恵の時代の人たちの間では、生きていたんだ。
 「ちょっと先の、やがてみんながそこに来るものをつくって用意する」 と森英恵は書いていた。
 そうした働く女性たちの頑張りがいいバトンを渡してくれたから、わたしたちが普通に働けているのだと感じる。