これが女の生きる道(1) 高峰秀子 「旅は道づれ アロハ・ハワイ」2021年06月13日 23:50

 高峰秀子の映画はほとんど見たことがない。わたしが気づいた頃には、もう女優はやめていたから。でも、エッセイスト・高峰秀子のものは、ほとんど読んでいる。
 代表作と言えば『わたしの渡世日記』になるだろうが、読んでいると苦しくなる。養母との解決できない確執が延々と書かれているからだ。
 書いたものの印象が大きく変わるのは、結婚してからのことをテーマにするようになってからだろう。「旅は道づれ」シリーズは、夫と世界中いろいろな所にいった旅行記。一番好きなのは、ハワイでの生活を書いた「旅は道づれ アロハ・ハワイ」だ。
 アラモアナの近くのマンションに部屋を持っていて、マーケットで食材を買い入れ、料理して夫婦でいただくという毎日。それを記録し、エッセイにまとめていくという仕事。
 前半生の女優生活は人が敷いてくれたレールだったが、後半生の生き方は、この人がつかみとったものだ。わたしはそこに惹かれる。

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